1910年頃 イタリア
マリアノ・フォルチュニィ
このドレスのデザイナー マリアノ・フォルチュニィ(Mariano Fortuny 1871-1949) は、ヴェニスに住み、絵画・彫刻・写真・舞台芸術など、多くの分野に渡って活躍した芸術家である。彼は古代ギリシャ彫刻「デルフォイの馭者像」にヒントを得て、絹地に細かいプリーツを施した「デルフォス」を制作した。この「デルフォス」のプリーツは、自然と体に添い、動きによるプリーツの輝きが女性を一層魅力的に見せる。コルセットで体を締めつけず、体を自然なままに包み込むという点で革新的であった。
当館の「デルフォス」は白い絹サテンにプリーツが施され、肩にはトンボ玉が付いている。袖はこうもり袖(ドルマン袖の幅広いもの)で、比較的初期の作品にみられる特徴である。プリーツは、制作から約100年経った現在でも、くっきり形を留めている。
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