19世紀末 フランス
19世紀末から20世紀初めになると、バッスル(腰当て)で膨らませていたスカートは姿を消し、コルセットによりウエストの細さを強調したS字型シルエットが流行した。胸と腰を張り出させ、花冠状のスカートに広がるしなやかなラインは1890年頃から起こったデザイン運動のアール・ヌーヴォーの影響を受けている。柔らかなシフォンや絹モスリン等透明な素材を重ねて色調を変える方法はこの時期多く見られた。さらに豪華なレースや刺繍で装飾された。
当館の衣裳は、ピンクのサテンのアンダースカートの上に白いジョーゼット、さらに白いレースを重ねたスカートである。胸や袖には細かいピンタックが施され、造花がアクセントとなっている。裾の内側に付いたサテンのプリーツは、床の汚れが直接スカートにつかないように工夫されたダスト・ラッフル(dust
ruffle)と考えられる。
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